いまトーキョーからはジャンルレスな魅力を持った愉快なパーティー・バンドが続々と登場し(ここではあえて具体名を出しませんが、Yで始まるあのバンドだとかCで始まるあのバンドだとか……)、毎晩ライヴハウスやクラブをグッド・ヴァイブレーションで包み込んでいるのはご存じのとおり。彼らに共通点を見い出そうとするならば、ジャマイカ/ラテン・ミュージックやノーザン・ソウル、ジャズ・ファンクといったスウェッティーな音楽をやりたい放題に(言い換えれば自由奔放に)ミックスしちゃうそのスタンスが挙げられるでしょう。そこにはかつてマーク・リーボーが自身の楽団に〈エセ・キューバン〉などと名付けてしまったのと同じアンチ本物指向があるわけでして、その意味では91年に活動をスタートさせたWWRBは先駆者のなかの先駆者。その道の求道者の方々についてとやかく言うつもりはありませんが、現在でいえばマヌー・チャオ、かつてで言えばソウル・ブラザーズなんかとも似たその姿勢をWWRBは10年以上も貫き通してきたわけです。で、結果として吾妻光良&スウィンギン・バッパーズなんかとも同様の熱視線が90年代の大半を学生服で過ごした世代からも注がれているのはごく当然なわけでして…ノというなかでのおよそ2年ぶりのニュー・アルバム『SOUNDS OF FAR EAST』の登場です。スペシャルズの前身バンドであるコヴェントリー・オートマティックス的な意味でのスカ・チューン“The Dax”、どことなくカリプソっぽいアコギのカッティングがユルリとキマった“Casa Bianca”、ご存じBOOのふっくらとした歌声が爽やか&ソウルフルな風合いを醸し出す“Younger Girl”、日本が誇るロックステディ・バンドであるDREAMLETESの歌姫たち=TRILETSを招いたオールド・リズム&ブルース的な“LetIt Go”、ニューオーリンズとメキシコと中米のどっかをゴチャ混ぜにしたような“Sgt. Antonio”、カリプソとスティールパン(奏でるは松田“チャーベ”岳二!!)が絡み合いながらもジャマイカ(スカ)とアフリカ(ハイライフ)のスパイスまで注入された“Expo '73 Avenue”……そしてお馴染みのダイナマイト・ファンクとノーザン・ソウルの旨味もたっぷり詰まった全12曲。アツいラテンもイイけどルーディーなスカももちろん、いやいや腰をダイレクトに刺激するジャズ・ファンクやメロウなオールド・ソウルも聴きたいしさ――そんな言葉をごくフツーのティーンエイジャーがふと口にする2005年のトーキョー。10年以上前からそんなナチュラルなスタンスでパーティーを続けてきたWWRBのニュー・アルバム『SOUNDS OF FAR EAST』は、どんどんどんどん音楽の聴き方が自由になっていく21世紀にこそしっくりくるアルバムなんじゃないかな、実は。Text by 大石始(NMNL/島音楽をこよなく愛する会)
■TRACK LIST
01. Surfin' Hard 02. Saturday Night Flying Booster 03. They Call Me Alligator 04. The Answer (Strikes Back) 05. High Street Swinger 06. Bittersweets In My Bag 07. A Swallow Flies High 08. CAPTAIN OLMECA 09. Brother In Neighbourhood 10. Wack Wack Rhythm Island feat.Rhymester 11. Popcorn Show 12. Dreams Come Through 13. Do You Remember Rock 'N' Roll Radio ?